王国の中央にそびえる黒曜石の城から少し離れた場所に、 「市役所猫庁舎」がある。
ここでは、王国の“地方”を支える猫たちが、 毎日せっせと書類を運び、窓口で猫たちの相談を受け、 地域の暮らしを守るために働いている。
若い猫がふと疑問を抱く。
「市役所って、どうやってお金を使っているのかニャ?」
その疑問に答えるために、 猫王国の自治体財政の仕組みを、やさしく語ってみよう。
🐾 1. 市役所の財布は“国の財布”とは別物
猫王国には、 中央政府の大きな財布(一般会計)がある。
しかし、市役所猫庁舎には、 地方自治体専用の財布がある。
この財布に入るお金は、
- 住民猫が払う「住民税」
- 家の持ち主猫が払う「固定資産税」
- 商売猫が払う「事業税」
- 市役所が独自に集める手数料(猫免許、猫図書館カードなど)
などだ。
つまり、 市役所は自分で稼いだお金で地域を運営している。
しかし—— それだけでは足りない。
🐾 2. 市役所の“もうひとつの収入源”——国からの交付ミルク
市役所の収入の大部分は、 実は 国からの「地方交付ミルク(交付税)」だ。
これは、
「地域によって税収に差が出ないように、国がミルクを配る仕組み」
だと思えばいい。
都会の猫は税金をたくさん払う。 田舎の猫は税金が少ない。
その差を埋めるために、 国がミルクを配っているのだ。
つまり、 市役所は国からのミルクがないと生きていけない。
🐾 3. 市役所は何にお金を使っているのか?
市役所猫庁舎の支出は、 王国の中央とは少し違う。
主な支出は、
- ゴミ収集猫の給料
- 猫保育園の運営
- 猫学校の維持
- 道路・橋・公園の整備
- 高齢猫の介護サービス
- 地域の防災対策
- 猫図書館の運営
など、 猫たちの生活に直結するものばかりだ。
中央政府が“国家の骨格”を扱うのに対し、 市役所は“猫たちの毎日の暮らし”を支えている。
🐾 4. なぜ市役所は「お金がない」と言い続けるのか?
若い猫はよくこう思う。
「市役所はいつもお金がないって言ってるニャ!」
その理由は、 とてもシンプルだ。
① 住民税が少ない地域が多い
猫王国では、 都会に猫が集中し、 地方は猫が減っている。
猫が減れば、 住民税も減る。
② 高齢猫が増えている
高齢猫が増えると、
- 介護ミルク
- 医療費
- 地域サービス
などの支出が増える。
若い猫が減っているため、 支える側が足りない。
③ 国からの交付ミルクが減ることがある
国の財政が厳しくなると、 地方へのミルクが減る。
すると市役所は一気に苦しくなる。
④ 市役所は“義務的経費”が多い
市役所の支出の多くは、
- 学校
- 保育
- 介護
- ゴミ収集
- 防災
など、 絶対に削れないものだ。
だから、 自由に使えるお金がほとんどない。
🐾 5. 市役所の“見えない苦労”——国のルールに縛られている
市役所は、 自分で自由に政策を決められるわけではない。
多くの事業は、
- 国のルール
- 県のルール
- 補助金の条件
に縛られている。
つまり、 市役所は「自分の財布を持っているのに、自分で使い方を決められない」状態なのだ。
これは、 猫が自分の貯金箱を持っているのに、 親猫から「このお金はこう使いなさい」と言われるようなもの。
🐾 6. 猫でもできる“自治体財政の見方”
難しいことはしなくていい。
まずは、 市役所のホームページにある 「予算書」を見ること。
そこに、
- どこからお金が入っているか
- どこへお金が出ているか
- 何にどれだけ使っているか
が書かれている。
そして、 「これは本当に必要なのか?」 と問いかけることが、 主権者猫としての第一歩だ。
🐾 おわりに——市役所は“猫たちの生活の守護者”
市役所は、 派手な政策を掲げる中央政府とは違う。
毎日の暮らしを守るために、 地味で、目立たず、 しかし欠かせない仕事をしている。
だからこそ、 市役所の財政を知ることは、 猫王国の民主主義を支える大切な知恵なのだ。

