ペーパー1枚の欺瞞劇:格差を直さず「言い訳の作文」を義務付ける、霞が関の残酷なやった感(ネコの寓話版)

政治ニュース優しく教えて

森のあちこちで、新しい掟が静かに始まった。

ニュース鳥たちは嬉しそうに鳴いていた。

「これで外輪ネコの待遇改善が進むにゃ!」

「同じ仕事をするネコたちの格差を見直す大改革にゃ!」

だが、その日から森の職場で配られ始めたものを見て、多くの森ネコは言葉を失った。

それは昇給通知ではなかった。

賞与の明細でもなかった。

配られたのは、

「なぜあなたの木の実が少ないのか」

を説明するための白い紙切れだった。


🐈‍⬛ 森の掟は変わった

昔の森ネコたちは思っていた。

もし格差が問題なら、

「同じだけ働いたなら同じ木の実を渡す」

そんな方向へ進むのだろうと。

だが支配ネコたちが作った新しい掟は違った。

森の掟はこう変わったのである。

格差を無くせ。

ではない。

格差の理由を書け。

だった。


🐾 「言い訳を書けば合法」

霞ヶ森に住む賢者フクロウたちは言った。

「木の実の差があっても構わない」

「その理由を紙に書けばよい」

こうして森中の職場に、

「説明の紙」

が配られ始めた。

そこにはこう書かれていた。

あなたは正規ネコと似た仕事をしていますが、

将来の配置転換が異なるため、

この木の実の差は合理的です。

あなたは同じ店で働いていますが、

転勤義務がないため、

この差は不合理ではありません。

森ネコたちは目を疑った。

仕事は同じ。

責任も同じ。

時には正規ネコより現場を支えている。

それなのに、

木の実を増やす代わりに、

言い訳だけが増えた。


🐈 現場ネコの拷問

最も苦しんだのは、意外にも現場の上長ネコだった。

店長ネコ。

主任ネコ。

班長ネコ。

彼らは知っていた。

毎日店を回しているのが誰かを。

急な欠員を埋めるのが誰かを。

新人に仕事を教えるのが誰かを。

その多くが外輪ネコたちであることを。

本当は時給を上げたい。

本当はボーナスを出したい。

本当は感謝している。

だが本社ネコは木の実を寄越さない。

代わりに渡してきたのは、

あの白い紙だった。


この紙を渡して説明してこい。


そう命じられた上長ネコは、

毎日一緒に働いてきた仲間へ向かって言わなければならない。

君の木の実が少ないのには理由があるんだ…


言う本人も分かっている。

聞く相手も分かっている。

本当の理由はそんなことではない。

木の実を出したくないだけだ。

だが現場ネコは、

会社の盾にされる。

良心があるほど苦しむ。

優しいほど心を病む。

この掟は、

現場ネコに

「嘘をつけ」

と命じる掟だった。


🐾 白い紙切れが殺したもの

紙を受け取った外輪ネコもまた傷ついた。

彼らは知っている。

自分が怠けていないことを。

現場を支えていることを。

誰よりも汗を流していることを。

だが紙にはこう書かれている。

あなたの価値はこの程度です。

もちろんそんな言葉は書いていない。

だが意味は同じだった。

それは、

木の実の額よりも深く心を傷つける。


ああ。

この森にとって私はこの程度なんだ。


長年積み上げた誇りが崩れる。

会社への信頼が切れる。

職場への想いが消える。

白い紙切れは、

給料の説明をしたのではない。

働くネコの尊厳を否定したのだった。


🐈‍⬛ 誰も幸せにならない森

外輪ネコは傷つく。

上長ネコは苦しむ。

職場の信頼は壊れる。

けれど霞ヶ森のフクロウたちは満足そうだった。

改革を実施しました。

説明義務を達成しました。

彼らに見えているのは数字だけ。

書類だけ。

実績だけ。

現場の涙ではない。


🐾 森ネコが怒るべき相手

森ネコたちはようやく気づいた。

怒るべき相手は、

目の前で申し訳なさそうに紙を渡してくる上長ネコではない。

ため息をつきながら紙を受け取る外輪ネコでもない。

本当に怒るべき相手は、

木の実を出したくない本社ネコと、

そのための言い訳を制度にした支配ネコたちだ。

森の掟は、

いつしかこう変わっていた。

格差をなくせ。

ではなく、

格差の言い訳を作れ。

へと。

支配ネコたちはそれを改革と呼んだ。

だが森ネコたちは知っていた。

その白い紙切れが埋めたのは格差ではなく、

仲間たちの信頼と尊厳だったことを。

元ネタ記事

「言い訳を用意しろ」という国家の猛毒——同一労働同一賃金が殺す、現場の良心と非正規の尊厳
10月施行の同一労働同一賃金で義務化された待遇差の説明。格差を直さず「格差の言い訳を書類に書けば合法」とする法設計が、非正規の尊厳を砕き、心ある現場上司に精神的拷問を強いている。現場に猛毒を流し込み「やった感」に酔う国家の欺瞞を告発する。

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