赤く染まった小さな魚たちが燃える海で
SNSという底なしの海で、赤く染まった小さな魚の群れが激しい業火に焼かれています。
参政党支持者が制作したとされる、名作絵本『スイミー』の無断改変画像。出版元・好学社が正式に抗議声明を出したことで、この出来事は瞬く間に「正義の仮面を被った群衆の石投げ」へと変貌しました。
一党員の過ちと、政治家たちの著作権意識
「あれは一党員が勝手にやったことだ」 確かに、それは許される行為ではありません。しかし、党員すべてを管理することが不可能なのもまた事実です。
そして忘れてはならないのは、日本の政治家自身が著作権違反を認めたり、実際に犯している例が過去にいくつも存在するということです。
他者が心血を注いで生み出した芸術作品を、集票という欲望のために切り刻み、流用する行為。 それはクリエイターの魂への冒涜であり、決して許されるべきではありません。
群衆が振りかざす「偏った正義」の不気味さ
私がここで静かに、そして強く問いたいのは、なぜ特定の政党だけが異様なほど激しく炎上するのかという点です。
歴史の暗闇を見つめれば、都合よく隠蔽された真実が浮かび上がります。
過去にもあった『スイミー』の政治利用
実は過去にも、共産党関係者が同じ『スイミー』を政治宣伝に利用し、好学社から抗議を受けているのです。
同じ作品、同じ構図、同じ罪。 しかしその事実は、まるで意図的に忘却の彼方へ追いやられています。
「チームみらい」でも同様の模倣が存在する
現在の政治の海を見渡せば、「チームみらい」陣営でも『スイミー』を模倣した宣伝画像が作られていることが確認できます。
さらに驚くべきは、党首である安野貴博氏自身が、その画像に「いいね」を押しているという事実です。
テクノロジーと未来を語るその指先が、他者の表現の権利を蹂躙する行為に無自覚に触れている。 この冷酷な矛盾に、なぜ世間は目を瞑るのでしょうか。
参政党だけを火あぶりにし、贔屓の陣営の罪には沈黙する。 この「二重基準(ダブルスタンダード)」こそが、現代政治に潜む巨大な怪物です。
政治家たちの奥底に巣食う「特権意識」という腐敗
この怪物に餌を与え続けているのは、為政者たち自身の奥底に巣食う「底知れぬ傲慢さ」です。
表現という魔導書を足蹴にしてきたのは、特定の政党だけではありません。
- 共産党は街頭演説に『アンパンマン』の着ぐるみを無断で使用
- 自民党議員は冊子に『逆転裁判』の意匠を丸呑みしたイラストを掲載
- 地方選挙では『スラムダンク』の構図や名台詞を剽窃した候補者も存在
保守も、リベラルも、新興勢力も。 根底にあるのは同じです。
「社会を良くするために動いているのだから、クリエイターの作品くらい自由に使って構わない」
という、特権意識という名の腐敗。
他者が命を削って生み出した創作物を、政治の舞台の小道具程度にしか認識していない。 この想像力と敬意の欠如こそ、最も忌むべき罪です。
浅薄な正義から脱却し、傲慢を裁くとき
私たちは、一部の生贄を捧げて溜飲を下げるような浅薄な正義から脱却しなければなりません。
すべての陣営に等しく巣食う「傲慢」という病魔を、冷徹な眼差しで見つめ、裁くこと。 それこそが、芸術という不可侵の領域を守るための唯一の術なのです。

